2024年の11月
エルサルバドルの視察に行ってまいりました。

素晴らしいコーヒーを持続可能な状態で皆様にお届けしていくためには、生産者産達の瑞々しい声を届けていかなくてはなりません。

その前に、エルサルバドルという国のコーヒーの歴史について簡単に触れさせて頂きます!


エルサルバドルのコーヒーの歴史は、同国の経済と文化において大きな役割を果たしてきました。

エルサルバドルでのコーヒー栽培は、19世紀中頃から始まり、コーヒーが国の主要な輸出品として成長するまでには多くの社会的、経済的変化がありました。

以下はその概要です。

 

1. 初期の発展(19世紀)

エルサルバドルのコーヒー栽培は、19世紀に始まりました。
政府がコーヒー栽培を奨励し、土地所有者に税制優遇措置や土地を無償で提供するなど、政策的な支援を行ったのです。
コーヒーの栽培が広まるにつれて、エルサルバドルは一大コーヒー生産地となり、コーヒーはすぐに国の主要な輸出品の一つになりました。

 

2. 経済と社会の変化(20世紀初頭)

20世紀初頭には、エルサルバドルのコーヒー産業はさらに拡大し、国内総生産(GDP)の大部分を占めるまでに成長しました。
しかし、この成長は少数の富裕層が土地と資産を独占することにもつながり、農民たちは厳しい労働条件に置かれることが多く、土地所有の不平等が深刻化しました。
この状況は、エルサルバドルの社会不安を高める一因となってしまったのです。

3. 内戦とコーヒー産業の低迷(1970-80年代)

1970年代から1980年代にかけて、エルサルバドルは長い内戦に苦しみました。
この内戦は農村地帯を中心に激化し、コーヒー農園もその影響を大きく受けました。
多くの農地が荒廃し、コーヒー産業も停滞しました。この時期には国際コーヒー市場の価格も不安定で、エルサルバドルの経済は大きな打撃を受けました。

 

4. 戦後の復興と持続可能なコーヒー(1990年代以降)

内戦終結後、エルサルバドルではコーヒー産業の復興が図られましたが、安価なコーヒーの大量生産から質の高いスペシャルティコーヒーへの転換が求められるようになりました。
これにより、多くの小規模生産者や家族経営の農園が持続可能な栽培方法を取り入れるようになり、品質向上に注力するようになりました。
また、環境保護やフェアトレードに関する意識も高まり、エルサルバドル産コーヒーの新しい価値が生まれました。

5. 現在のエルサルバドルのコーヒー産業

今日のエルサルバドルでは、ブルボンやパカマラといった品種が高く評価され、スペシャルティコーヒー市場で注目されています。
また、家族経営の農園が多く、持続可能な栽培方法や環境保護に配慮したアプローチが特徴です。
エルサルバドルの生産者は、高品質な豆とユニークな風味を武器に、世界中のスペシャルティコーヒー愛好者から支持を集めています。

エルサルバドルのコーヒーは、同国の長い歴史と農家の努力が詰まった魅力的なコーヒーばかりです。

このような歴史的背景に触れていただくことによって、よりエルサルバドルのコーヒーが好きになっていただけたら嬉しいです!