ブルボン種の魅力
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Guatemala El Mirador Rosalina Lopez Bourbon Washed 浅煎り
このコーヒーは実際にグアテマラに訪れた際にエルミラドールのブルボン種に惚れ惚れしてしまい、案内をしてくれたホセ自身も最も好きなコーヒーとして迷わず買い付けをしたロットになります。
今回はブルボン種の魅力や歴史を簡単に解説させて頂き、よりコーヒーを楽しんでもらえたら嬉しいです。
ブルボン(Bourbon)は、スペシャルティコーヒー業界において特に高く評価されている品種の一つです。
その歴史、風味特性、栽培の難しさ、そして私達を魅了し続ける理由について詳しく見ていきましょう。

1. ブルボン品種の歴史
まずは歴史から。ブルボンの歴史は長いです。
ブルボンは、イエメンからフランス人宣教師によって17世紀にインド洋のレユニオン島(当時のブルボン島)に持ち込まれたことに由来します。
その後、18世紀にブラジルへ伝わり、そこから中南米へと広がりました。
ブルボンはアラビカ種の突然変異であり、ティピカ(Typica)と並んで最も古典的なアラビカ品種です。
1.1 レユニオン島への導入
ブルボン種は、1715年頃、フランス王室の後援を受けてイエメンからコーヒーの種子がレユニオン島(当時はブルボン島)に持ち込まれました。
当初は王室の支援を受けた小規模な試験栽培でしたが、島の気候と土壌がブルボン種の栽培に適していることが判明し、徐々に広がりました。
1.2 ブラジルへの伝播
1727年、ポルトガル人のフランシスコ・デ・メロ・パリエタがコーヒーの苗木をブラジルに持ち帰ったことが、ブルボン種が南米に広がる起点となりました。彼は外交官としてフランス領ギアナを訪れた際に、秘密裏に苗木を入手したと言われています。
その後、ブルボン種はブラジルで繁栄し、コーヒー産業の基盤を築きました。
1.3 中南米への拡大
19世紀には、ブルボン種はブラジルからエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスなどの中南米諸国へと広がりました。
特にエルサルバドルでは、ブルボン種が国の主要な栽培品種となり、現在でも高品質なブルボンコーヒーが生産されています。
1.4 品種改良と現代への継承
20世紀には、病害虫への耐性を高めるためにブルボン種をベースにした品種改良が行われ、多くのハイブリッド品種が誕生しました。しかし、オリジナルのブルボンはその品質の高さから現在でも大切に栽培され、スペシャルティコーヒーの象徴的存在として位置づけられています。

2. 味わいの特徴
ブルボン品種はその甘さ、バランスの取れた酸味、そして豊かなボディが特徴です。
特に以下の点がプロフェッショナルたちに評価されています。
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甘さ: ブラウンシュガーやキャラメルのような甘み。
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酸味: 明るく繊細な酸味で、柑橘系やベリー系のフレーバーが現れることが多い。
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ボディ: しっかりとしたボディ感があり、口当たりが滑らか。
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後味: 長く続く余韻が楽しめる。
産地ごとにこれらの特性が変化し、エルサルバドルやグアテマラ産のブルボンは特に高く評価されています。
3. 栽培の難しさ
ブルボンは素晴らしいカップ品質を持つ一方で、栽培は決して容易ではありません。
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収量: ティピカと同様に収量が少なく、生産効率は高くありません。
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病害虫耐性: さび病(Leaf Rust)に弱く、ケアが必要です。
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標高: 高地での栽培が理想とされ、特に1,200m以上の標高が求められます。
このような課題を克服することで、最高品質のブルボンコーヒーが生まれます。
4. スペシャルティコーヒー業界での評価
ブルボン品種はカッピング競技会や品評会でも頻繁に高得点を獲得し、特にエルサルバドルやグアテマラのブルボンはトップランクに位置しています。
プロフェッショナルの中でも、以下のポイントが評価されています:
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クリーンカップ: 透明感のある味わい。
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複雑性: フレーバーのレイヤーが豊富。
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テロワール表現: 産地ごとの個性が明確に表れる。
5. まとめ
ブルボン品種は、その味わいの複雑さと甘み、そして歴史的背景により、私達にとっても特別な存在です。
栽培の難しさゆえに、その一杯は生産者の努力と情熱の結晶と言えるでしょう。
次にブルボン品種のコーヒーを手に取る際は、その背景にある物語とともに、その一杯をじっくりと味わってみてください。
今回のブルボン種のコーヒーは甘さのボリューム感があり、浅煎りながら肉厚なボディを楽しむことができる、まさに日常的に楽しみたいコーヒーです。
たくさんの方に届くと嬉しいです。
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